こんにちは、ミクロ投資法を教えているかまくらです。
「2020年5月12日に発表されたホロン（7748）の2020年3月期決算の内容が良くありませんでした。もう、ホロンは投資対象外とした方がよいでしょうか？5G関連銘柄（半導体関連銘柄）で、ホロンと共に株価上昇していたレーザーテック（6920）も投資対象外とした方よいでしょうか？」
という質問にお応えします。
結論、ホロンもレーザーテックも投資対象外としましょう。
決算結果よりホロンを投資対象外とした方がよいか？－はい、投資対象外としましょう
ホロン決算の業績
2020年3月期（2019年4月1日～2020年3月31日）の業績は良かったです。売上高／営業利益／経常利益／当期純利益の増加率は、以下のとおりです。
売上高：44.2％増
営業利益：77.8％増
経常利益：76.1％増
当期純利益：71.6％増
【2020年3月期決算短信】
http://www.holon-ltd.co.jp/ir/pdf/35th_financial_q4.pdf
業績だけをみると、全くもって、ホロンは“優良企業”です。高業績を出せた理由は、高解像度顕微鏡「フォトマスク用CD-SEM」「フォトマスク用DR-SEM」などの売上が好調だったためです。やはり、5Gブームのあおりを受けて、半導体関連銘柄の業績は向上しています。
ホロン決算の業績予想
ただ、2021年3月期（2020年4月１日～2021年3月31日）の業績予想が良くなかったです。売上高／営業利益／経常利益／当期純利益の予想増加率は、以下のとおりです。
売上高：－41.4％減
営業利益：－71.7％減
経常利益：－71.9％減
当期純利益：－71.4％減
正直、ホロンは新型コロナウイルス蔓延による需要減にビビっています。
ホロン決算に対する投資家心理
このホロンの業績予想の弱気は、投資家心理を一気に悪化させました。ホロン決算前後の背景と投資家心理の変化は、以下のとおりです。
・2020年4月28日のレーザーテックの決算内容が良く、レーザーテックの株価が上昇しました。
・レーザーテックの業績向上／株価上昇を受けて、ホロンの株価も上昇しました。
・「レーザーテックの決算内容が良かったので、ホロンの決算内容も良いだろう」と、“投資家の期待”が高まりました。
・投資家の期待の高まりとともに、ホロンの株価は上昇しました。※2020年5月12日までの話
・ホロンの決算内容をみて、「業績は良いけれど、業績予想は悪すぎ！」と、“投資家の落胆”が発生しました。
・結果、“投資家の期待”と“投資家の落胆”のギャップで、決算発表翌日2020年5月13日のホロンの株価は急落しました。
結論、ホロンは投資対象外とする
2020年5月13日のホロンの株価は終値が5,650円であり、－1,500円（－20.98％）も下落しました。ホロンの日足チャートをみればわかりますが、ストップ安となっています。投資家心理の悪化（期待からの落胆）を如実に表しています。
ホロンの日足チャート
※「決算発表での業績結果⇒投資家心理⇒株価が動く」という流れの中で、“投資家心理”を読み解くのが非常に難しいです。したがって、決算発表前に保有株を全て売却することをミクロ投資法のルールとしています。詳細は、記事「【株学習】決算発表後の株価の動き【対策／事例つき】」を参照ください。
上記をまとめると、「業績予想の弱気⇒投資家心理の悪化⇒株価の急落」により、チャートの形が一気に崩れました。したがって、ホロンは投資対象外とします。
※僕個人としてはすでに成果を出せているので、ウハウハの気分でホロン取引を終了できました。ホロンの適切な売買タイミングに関しては、記事「【株学習】ホロン株価の完全解説【売買タイミング付き】」でまとめいますので、ぜひ、読んでみてください。
決算により株価が下落したから、ホロンは買いではないか？－投資スタンスによります
ここまで本ブログ記事を読んで、「株価が下落したということは、逆にホロンは買いではないのですか？」と、疑問を抱く方もいると思います。
確かに、ホロンは5G関連銘柄（半導体関連銘柄）であり、今の業績予想が悪くても将来的には業績向上／株価上昇が見込める可能性はあります。
ただ、ここでみなさんに考えてもらいたいのは・・・
「“将来的に”とは、いつまでのことでしょうか？1カ月後でしょうか？1年後でしょうか？はたまた、3年後でしょうか？」
ということです。
ここに株式投資の落とし穴があるため、投資スタンスに立ち戻る必要があります。
もしみなさんが“中長期投資家”という投資スタンスをとるのであれば、ファンダメンタル分析（世界情勢／業界の分析、今後の業績予想）をしっかりとした上で、ホロン株の中長期保有するかを判断してください。
もしみなさんが“スイングトレーダー（短期投資家）”という投資スタンスをとるのであれば、上述した「業績予想の弱気⇒投資家心理の悪化⇒株価の急落」からのチャートの崩れにより、ホロンの株価の短期的な上昇はあまり見込めません。よって、ホロンを投資対象から外すべきです。
決算結果よりレーザーテックを投資対象外とした方がよいか？－はい、投資対象外としましょう
レーザーテック決算の業績
レーザーテックは、2020年4月28日に2020年6月期第3四半期決算を発表しています。ホロンは3月期決算ですが、レーザーテックは6月期決算であるのでご注意ください。
記事「【株価急上昇】レーザーテックとホロンのどっちを買う？【結果つき】」で解説しましたが、個人的には2020年6月期第3四半期の売上増加率が少し低いように感じています。悪くはないのですが、“小型成長株”としては低いです。
売上増加率：19.2%
営業利益増加率：54.4%
経常利益増加率：56.9%
【2020年6月期第3四半期決算短信】
https://ssl4.eir-parts.net/doc/6920/tdnet/1820774/00.pdf
レーザーテック決算の業績予想
2020年6月期の連結業績予想（2019年7月1日～2020年6月30日）に変更はありませんでした。ここがホロンとの大きな違いです。売上高／営業利益／経常利益／当期純利益の予想増加率は、以下のとおりです。
売上高：39.0％増
営業利益：76.3％増
経常利益：78.7％増
当期純利益：68.5％増
レーザーテック決算に対する投資家心理
新型コロナウイルス蔓延によりホロンは弱気の業績予想を提示しましたが、レーザーテックは業績予想を据え置いています。ホロンは3月期決算、レーザーテックは6月期第3四半期決算という違いがありますが、レーザーテックの強気の業績予想を投資家は信じているのが現状です。
その証拠に、2020年5月13日のホロンの株価は大暴落しましたが、レーザーテックの株価は終値が7,640円であり、前日比－140円（－1.80％）で踏みとどまっています。
レーザーテックの日足チャート
結論、レーザーテックは投資対象外とする
ただ、レーザーテックは次の決算（6月期決算）で弱気の業績予想を提示する可能性が非常に高いです。これはホロンと全く同じパターンですので注意が必要です。
このように、業績の先行きが不透明あったり、四半期決算での売上増加率が低い場合は、株価が下落する傾向にあります。したがって、レーザーテックは投資対象外とします。
※僕個人としてはレーザーテックでも成果を出し、すでに取引を終了しています。レーザーテックの売買タイミングに関しては、記事「【株学習】レーザーテック株価の完全解説【売買タイミング付き】」でまとめいますので、ぜひ、読んでみてください。
株価は半年から1年先の業績を織り込んでいく
ここまで読んで気づいた方もいると思いますが、僕は銘柄選択において業績を非常に厳しくみています。というのも、「株価は半年先の業績を織り込んでいく」と言われているためです。
※書籍「スピード出世銘柄を見逃さずにキャッチする 新高値ブレイクの成長株投資法
」でも紹介されているので、読んでみてください。
※その他のおすすめ株式投資本は、記事「【必読】株式投資おすすめ本－投資方法によって読むべき本は違います」にまとめていますので、併せてご覧ください。
僕が実際に取引した企業の中で、良い例としてZOZO（3092）があります。実際にZOZOの株価は半年先の業績を織り込みながら下落していました。詳細は、記事「あるある！株式投資Q&A」で解説していますので、ぜひ、読んでみてください。
現在、ホロンもレーザーテックも業績低下に兆候がみられます。したがって、ホロンもレーザーテックも投資対象外とするべきです。
それでは。
注意 本ブログの内容は、一個人投資家としての見解です。ブログの内容を踏まえた投資により生じた損失に関しては、一切責任を負いません。よろしくお願いいたします。個人投資家かまくら
